意味
優越的地位の濫用は、独占禁止法(昭和22年法律第54号)が定める「不公正な取引方法」の一つです。同法第2条第9項第5号は、「自己の取引上の地位が相手方に優越していることを利用して、正常な商慣習に照らして不当に」次の行為をすることを挙げています。
- 継続して取引する相手方に、取引に係る商品・役務以外の商品・役務を購入させること
- 継続して取引する相手方に、金銭、役務などの経済上の利益を提供させること
- 商品の受領を拒むこと、受領後に引き取らせること、対価の支払を遅らせることや、その額を減じること
- 相手方に不利益となるように取引の条件を設定・変更し、又は取引を実施すること
協賛金の要請、押し付け販売、一方的な減額は、この規定が想定する典型的な行為です。
会社が備えること
この用語は、発注側・受注側のどちらの立場でも、取引条件を決める場面で出てきます。発注側では、協賛金や役務の提供を求める社内の決裁、値引きや支払条件の変更を伝える書面、返品の手続が、条文の行為の類型と重なる箇所です。受注側では、一方的な減額や購入の要請を受けたときに、条文の類型と照らしてやり取りの記録を残す場面で出てきます。受注側の立場の整理は、元請から一方的な値下げを求められました。断れますかにまとめています。
優越的地位の濫用は、排除措置命令や課徴金の対象とされています。独占禁止法を運用する公正取引委員会は、相談・申告・情報提供の窓口を設けています。
関連する改正
公正取引委員会は、取適法を「独占禁止法の補完法」と説明しています。取適法は、中小企業との委託取引について、同種の行為をより定型的に規制しています。