何が変わったか
対象かどうかは取引ごとに判断する
「資本金が小さいから対象外」とは限りません。自社と相手の規模だけでなく、委託している仕事の内容を先に整理します。
- 委託の内容を分類する 製造・修理・情報成果物作成・役務提供の各委託に加え、製造・販売等の目的物の引渡しに必要な「特定運送委託」が対象になりました。
- 双方の資本金を確認する 取引の種類に応じた資本金の組合せを確認します。自社の資本金だけでは決まりません。
- 従業員数の基準も確認する 資本金基準が適用されない場合でも、下記の従業員基準に該当する取引は対象です。
従業員基準は、製造・修理・特定運送委託等では委託側300人超/受託側300人以下です。これにはプログラム作成、運送、倉庫保管、情報処理の委託も含み、それ以外の情報成果物作成・役務提供委託は委託側100人超/受託側100人以下です。常時使用する従業員の数で判断します。
例えば、物流会社への支払がすべて対象になるわけではありません。何の物品を、誰への引渡しのために運ぶのかまで確認します。
「仕事の内容」と、どちらかの規模基準で判断
委託する側:作ってほしい部品を示す
部品の製作を依頼製造委託の例
受託する側:図面に沿って部品を製作
対象となる仕事には、製造・修理・情報成果物作成・役務提供・特定運送などがあります。
対象となる委託内容を確認したうえで
資本金の基準
または委託側の
資本金と受託側の
資本金
双方の組合せが基準に該当資本金と受託側の
資本金
従業員数の基準
製造・修理・特定運送、プログラム作成・運送・倉庫保管・情報処理の委託
委託側
300人超と受託側
300人以下
300人超と受託側
300人以下
上記以外の情報成果物作成・役務提供の委託
委託側
100人超と受託側
100人以下
100人超と受託側
100人以下
いずれかの規模基準に該当 → 対象資本金の基準に該当しなくても、従業員数の基準で対象になる場合があります。
支払方法と価格協議で変わること
- 価格協議に対応する 代金について協議を求められたのに応じない、必要な説明・情報提供をしないなど、一方的な代金決定が禁止されます。
- 手形等の支払を見直す 手形払は禁止です。電子記録債権等も、支払期日までに代金相当額の現金を得ることが困難なものは使えません。
- 振込手数料を控除しない 相手との合意があっても、代金から振込手数料を差し引いて負担させることは、減額として禁止されます。
協議をすれば希望額をすべて受け入れるという意味ではありません。ただし、形式的な面談だけで足りるともいえず、申入れの内容を検討して説明できる記録が必要です。
会社が備えること
契約書と日々の運用を照合する
- 取引一覧を更新する 発注日、委託内容、双方の規模と確認日を残します。2026年1月1日より前の発注分と、それ以後の発注分を区別します。
- 経理の処理を確認する 契約書だけでなく振込設定や手数料控除も点検します。支払手段を変更する費用を、従前の代金から一方的に差し引かないようにします。
- 協議の受付と回答を決める 申入れを受け付ける者、原価等を検討する者、回答する者を定め、申入れ・検討資料・回答内容を保存します。
発注内容の明示、取引記録の作成・2年間の保存、受領後60日以内のできる限り短い期間での支払期日の設定など、従来からの基本的な義務も残ります。名称を「取適法」に直すだけでなく、購買・経理・現場の運用をそろえます。
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