何が問題になるか
場面
外部の個人や会社に仕事を頼むときに、相手から出されたひな形の業務委託契約書をそのまま使っている場面です。逆に、自社が受託者として、発注元の契約書に署名を求められることもあります。どの条項を見ればよいのか、というご相談です。
法律の整理
確認する条項は、次のとおりです。委託業務の範囲と成果物の定義、報酬と支払期日、知的財産の帰属、再委託の可否、秘密保持、契約期間と中途解約、損害賠償の上限、反社条項です。支払期日は、フリーランス法と取適法のもとでは60日以内に定めます。委託者側は、労働者性(指揮命令)を生じさせない運用が必要です。受託者側は、成果物の検収基準を明確にします。あわせて、2024年11月に施行されたフリーランス法と、取適法の適用があるかを確認します。
フリーランス法の第3条は、第1項で、業務委託をした場合は「直ちに」、「給付の内容、報酬の額、支払期日その他の事項」を書面か電磁的方法で明示するよう定めています。
第4条は、第1項で、報酬の支払期日を、給付を受領した日から「起算して六十日の期間内において、かつ、できる限り短い期間内において」定めるとしています。検査をするかどうかは問いません。第3項は、再委託の場合に、元委託支払期日から30日以内とする特例を置いています。
第5条は、第1項で、受託者の責めに帰すべき事由がないのに「報酬の額を減ずること」などを禁じています。
第16条は、第1項で、継続的業務委託を解除する場合や更新しない場合について、「少なくとも三十日前までに、その予告をしなければならない」と定めています。
成果物の検収基準

会社が備えること
確認すること
- 相手が「個人であって、従業員を使用しないもの」などの特定受託事業者に当たるか(第2条第1項)
- 委託する内容が、物品の製造、情報成果物の作成、役務の提供のどれに当たるか
- 自社が委託者と受託者のどちらの立場か
- 単発の取引か、継続する取引か
対応
- 使っている契約書のひな形に、上の条項がそろっているかを点検します。
- 支払期日を、受領した日から60日以内に収まる定め方に直します。
- 委託者側は、業務の進め方や時間を細かく指示する運用になっていないかを見直します。詳しくは業務委託契約で働いてもらっている人が「実態は雇用だ」と言ってきましたをご覧ください。
- 受託者側は、検収の基準と期間を契約書に書き込みます。
- 取引先ごとに、フリーランス法・取適法の適用の有無を記録します。
業務の進め方と、指示の出し方

ご相談で伺うこと
- 現在の契約書と発注書のひな形
- 相手の形態(個人か法人か、従業員の有無)
- 委託の内容と期間、更新の有無
- 報酬の締め日と支払日
- 業務の進め方と、指示の出し方