何が問題になるか
場面
銀行から新たに借入をする際、融資の条件として社長個人の連帯保証を求められることがあります。経営者保証は、会社が返済できなくなったときに、経営者個人が会社に代わって返済を求められる仕組みです。社長の交代を控えた会社では、後継者が保証を引き継ぐことをためらう原因にもなります。
法律の整理
経営者保証に関するガイドラインの3要件を満たせば、保証なしの融資や、すでにある保証の解除を求める根拠になります。3要件は、法人と経営者の資産・経理の分離、財務基盤の強化、金融機関への適時適切な情報開示です。
中小企業庁は、3要件の全部または一部を満たせば、事業者は「経営者保証なしで融資を受けられる可能性がある」とし、すでに提供している「経営者保証を見直すことができる可能性がある」としています。ただし、ガイドラインは「法的な拘束力はない」とされ、解除するかどうかの「最終的な判断は、金融機関にゆだねられる」とされています。
2023年4月からは、金融機関が保証を求めるときに、その理由を説明し、記録する運用になっています。金融庁は、2022年12月23日に「中小・地域金融機関向けの総合的な監督指針」等の一部改正の結果を公表しています。
保証を求める理由

信用保証協会にも、要件を満たす場合に経営者保証を不要とする制度があります。中小企業庁は「保証料率の上乗せにより経営者保証を提供しないことを選択できる信用保証制度」や、事業承継特別保証制度、創業時のスタートアップ創出促進保証を挙げています。
既存の保証契約も、見直しの対象になります。事業承継のときは、旧経営者と後継者の両方から保証をとる二重徴求を避けることが求められます。2019年12月24日には、事業承継時に焦点を当てた「経営者保証に関するガイドライン」の特則が公表されています。
事業承継時の保証

会社が備えること
確認すること
- 借入ごとに、誰がどの範囲の保証をしているか
- 会社と社長の間の貸し借りや、社長の資産を会社が使っている状況
- 決算書や試算表を、金融機関にどの時期にどこまで出しているか
- 金融機関から、保証を求める理由の説明を受けているか
対応
- 会社と経営者の資金のやりとりを整理し、役員への貸付けや個人資産の事業利用を見直します。
- 収益力と自己資本を高め、会社の資産と収益で返済できる状態を示します。
- 決算書や試算表を定期的に開示し、開示の方法を金融機関と取り決めます。
- 新規融資や借換えのときは、保証を求める理由の説明を受け、3要件のどれが足りないかを確認します。
- 既存の保証は、3要件の状況を示して見直しを申し入れます。
- 事業承継を予定するときは、保証が重ならないよう、承継の前に金融機関と協議します。
ご相談で伺うこと
- 借入先の金融機関と、借入ごとの保証の内容
- 直近の決算書と、会社と経営者の間の資金のやりとり
- 金融機関から受けた説明の内容と、その記録の有無
- 信用保証協会の保証付き融資の有無
- 事業承継の予定の有無と時期