何が問題になるか

場面

取引先に請求書を送り、催促もしたのに、代金が支払われないことがあります。どの手続を選ぶかで、かかる時間と費用が変わります。判決を得ても、それだけでお金が戻るわけではありません。

法律の整理

手続は、相手の反応と請求額で選びます。

  • 支払督促:相手が争わない見込みのときに使います。裁判所は書面で審査します。
  • 少額訴訟:請求額に上限があり、原則として最初の期日で審理を終えます。
  • 通常訴訟:相手が争うときや、請求額が大きいときの手続です。
  • 民事調停:話合いで支払方法を決めたいときに使います。

相手の反応と請求額で選ぶ

請求書類と相手の回答を基に手続の選択肢を比較する担当者
手続は、相手の反応と請求額で選びます。

2026年5月からは、訴えの提起や送達をオンラインで行えます。

ただし、判決を得ても、相手に財産がなければ回収できません。そのため、事前に取引先の資産を把握しておくことが大切です。判決などに基づいて相手の財産を差し押さえる手続が強制執行です。民事執行法(昭和54年法律第4号)第2条は、「民事執行は、申立てにより、裁判所又は執行官が行う。」と定めます。強制執行は、対象の財産によって、不動産、船舶、動産、「債権及びその他の財産権」に対するものに分かれています。

財産に応じた強制執行

判決の書類と預金・不動産の資料を確認する場面
判決を得ても、相手に財産がなければ回収できません。

同法第1条は、民事執行に「債務者の財産状況の調査」を含めています。相手の財産が分からないときのために、第196条から第203条が「財産開示手続」を、第204条から第211条が「第三者からの情報取得手続」を定めています。

費用もかかります。同法第14条は、第1項で、申立人は「民事執行の手続に必要な費用として裁判所書記官の定める金額を予納しなければならない」と定めています。執行の申立ても、第19条の2により、電子情報処理組織を用いてすることができます。

会社が備えること

確認すること

  • 契約書・発注書・納品書・請求書など、請求の根拠となる書類がそろっているか
  • 相手が支払を争っているのか、支払う意思はあっても資金がないのか
  • 取引先の預金口座(金融機関・支店)、売掛先、不動産を把握しているか
  • 時効が迫っていないか(売掛金の時効についてのご相談)

対応

相手が争わない見込みのときは、支払督促から検討します。争いがあるときは、訴訟か民事調停を選びます。判決などを得た後は、把握した財産に応じて強制執行を申し立てます。財産が分からないときは、財産開示手続や第三者からの情報取得手続を使います。

あわせて、回収できる見込みと、手続にかかる費用・時間を比べます。見込みが乏しいときは、債権放棄をして貸倒損失として処理するかを判断します。請求の進め方は、取引先が代金を支払わないでも扱っています。

ご相談で伺うこと

  • 請求額、支払期限、これまでの催促の経過
  • 契約書・請求書などの書類の有無
  • 相手が支払わない理由として伝えている内容
  • 相手の預金口座・売掛先・不動産について分かっていること
  • 回収にかけられる費用と時間の目安

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出典