何が問題になるか

場面

育児休業から復帰する社員について、元の部署の体制が変わったため、別の部署に配属したいというご相談があります。配置の変更が育児休業の取得を理由とするものと受け取られると、法律上の不利益取扱いに当たるおそれがあります。

法律の整理

育児休業の取得を理由とする降格・減給・配置の変更は、不利益取扱いとして禁止されています(育児・介護休業法第10条)。復帰の際は、原職または原職相当職に戻すことが原則です。

原職または原職相当職

育児休業から復帰する社員の職場と業務を確認する。
復帰の際は、原職または原職相当職に戻すことが原則です。

業務上の必要性があり、本人に説明して同意を得た配置の変更は可能です。ただし、復帰直後は、休業を理由としたと推認されやすい時期に当たります。そのため、変更の理由を記録しておく必要があります。

評価や賞与の算定でも、休業期間を不利益に扱うことはできません。

この法律は、第4条で、事業主は「子の養育又は家族の介護を行う労働者等の福祉を増進するように努めなければならない」と定めています。

復帰後の制度として、法律は「子の看護等休暇」と「所定外労働の制限」の章を設けています。厚生労働省は、改正法が「令和7年4月1日から段階的に施行」されると案内しています。改正の柱の一つは「子の年齢に応じた柔軟な働き方を実現するための措置の拡充」です。この改正で、復帰後の制度について本人の意向を聴くことが求められています。

会社が備えること

確認すること

  • 復帰先が原職または原職相当職か
  • 別の部署に配属する場合、業務上の必要性を説明できる資料があるか
  • 配置の変更について、本人に説明し同意を得た記録があるか
  • 人事評価・賞与の算定規程で、休業期間を不利益に扱う定めがないか
  • 職種や勤務地を限定して採用した社員か(職種を限定して採用した社員に、別の職種への異動を命じられますか)

対応

復帰の前に面談の場を設けます。配属先の候補と、その業務上の理由を本人に説明します。同意を得たときは、説明した内容と日付を書面に残します。復帰直後に配置を変える場合は、理由の記録を特に厚くします。

本人に説明し同意を得た記録

配属先と業務上の理由を説明して本人の意向を聴く。
配属先の候補と、その業務上の理由を本人に説明します。同意を得たときは、説明した内容と日付を書面に残します。

面談では、短時間勤務・所定外労働の免除・子の看護等休暇など、復帰後に使える制度を本人に説明します。2025年改正の意向聴取にあわせて、本人の希望も聴き取ります。改正の内容は育児・介護休業法の改正で整理しています。

評価・賞与の規程も見直します。休業期間を不利益に扱う算定方法があれば改めます。

ご相談で伺うこと

  • 休業前の部署・職種と、復帰後に予定している配属先
  • 配置の変更を考える業務上の理由と、その時期
  • 本人への説明の状況と、本人の意向
  • 労働契約や採用時の書面で、職種・勤務地の限定があるか
  • 就業規則・育児介護休業規程・評価規程の内容

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出典