何が問題になるか
場面
社員が社用車を休日の私用に使っていたことが分かりました。取引先との会食の後に、社用車で帰宅した社員もいます。こうした場面は、社用車を使う事業主であれば規模を問わず起こり得ます。規程にルールが無いと、注意や処分の根拠があいまいになります。
法律の整理
一定台数以上の自動車を使う事業所では、安全運転管理者を選任し、運転の前後にアルコールチェックをする義務があります。チェックにはアルコール検知器を使います。これらは道路交通法(昭和35年法律第105号)上の義務です。
運転前後のアルコールチェック

道路交通法は、第1条で、目的を「道路における危険を防止し、その他交通の安全と円滑を図り」と定めています。また、章の一つを「車両等の運転者及び使用者の義務」とし、運転する社員だけでなく、車を使わせる会社にも義務を課しています。
第2条は、第1項で、「車両」を「自動車、原動機付自転車、軽車両及びトロリーバスをいう。」と定めています。軽車両には自転車が含まれます。このため、自転車・バイクの業務使用も、社用車と同じ枠組みで規程に入れて管理します。
会社が備えること
確認すること
- 社用車の台数と、安全運転管理者の選任の要否
- 運転前後のアルコールチェックの方法と、記録の残し方
- 鍵と車両の貸出の管理(貸出簿の有無)
- 任意保険の内容(対人対物無制限か、搭乗者の補償があるか)
- 自転車・バイクを業務や通勤で使う社員の有無
鍵と車両の貸出の管理

対応
車両管理規程に、次の事項を定めます。
- 私的使用の禁止と、例外を認める場合の手続
- 貸出簿への記載(使用者・日時・行先・走行距離)
- 運転前後のアルコールチェックと、検知器を使った確認
- 事故時の報告の手順と連絡先
- 交通違反の罰金・反則金は本人が負担すること
罰金・反則金を会社が肩代わりすると、本人への給与として課税される問題が生じます。負担の扱いは規程で明確にしておきます。
事故を起こした社員への求償には、限界があります。そのため、任意保険の内容を規程とあわせて確認します。会社の責任と求償の考え方は、社員が業務中に交通事故を起こしました。会社の責任と、社員への求償はどうなりますかで整理しています。
ご相談で伺うこと
- 社用車・自転車・バイクの台数と、使う社員の人数
- 現在の車両管理規程・就業規則の内容
- アルコールチェックの運用と記録の状況
- 任意保険の契約内容
- 過去の私的使用・違反・事故の有無と、その後の対応
伺った内容をもとに、規程の案と運用の手順を整理します。