何が問題になるか

場面

使っていないサービスの契約が、毎年同じ条件で更新されていたと気づく場面があります。システム保守、リース、業務委託の契約で起きやすい問題です。解約を申し出ても、取引先から、通知の期限を過ぎているため次の期間の満了まで契約が続くと返されることがあります。担当者が替わり、更新日が引き継がれていない場面もあります。

法律の整理

自動更新条項の典型は、期間満了の○か月前までに申出がなければ同一条件で更新する、という定めです。この期限を過ぎると、次の期間まで解約できません。契約書で、通知の期限と通知の方法(書面かどうか)を確認することが出発点です。

通知の期限と方法を確認する

契約の更新条項を見て通知期限をカレンダーで管理する担当者
契約書で、通知の期限と通知の方法(書面かどうか)を確認することが出発点です。

期間の途中でやめたい場合は、中途解約条項の有無を見ます。中途解約条項がなければ、原則として期間中は解約できません。それでも解約するなら、損害賠償の対象になり得ます。

この整理の前提には、契約で決めたことを守るという考え方があります。民法第1条は、第2項で、「権利の行使及び義務の履行は、信義に従い誠実に行わなければならない。」と定めています。

会社が備えること

確認すること

  • 契約期間の始期と満了日
  • 更新を拒む通知の期限(満了の何か月前か)
  • 通知の方法(書面に限るか、宛先はどこか)
  • 中途解約条項の有無と、解約するときの条件
  • 更新後の期間と条件

取引先のひな形で契約した場合は、自動更新と解約の条項を締結前に見ておくことが大切です。ひな形の見方は、取引先から契約書のひな形を渡されました。どこを見て、どこを交渉すべきですかで取り上げています。

対応

通知は、内容証明郵便など、受領の記録が残る方法で出します。期限の当日に発送するのではなく、期限の数日前には相手に到達させます。郵便の遅れや相手の不在も見込んで、余裕を持たせます。内容証明郵便の性質は、取引先から内容証明郵便が届きました。どう対応すればよいですかも参考になります。

相手に到達させる

通知書を発送した後に相手が受け取り、その受領記録を保管する場面
期限の当日に発送するのではなく、期限の数日前には相手に到達させます。

あわせて、契約の一覧を台帳で管理します。台帳には、契約名、相手方、更新日、通知期限、担当者を記録します。通知期限の前に確認する日を決めておくと、気づかないまま次の期間に入ることを防げます。期限を過ぎていた場合でも、次の更新に向けた通知の期限を台帳に記録しておきます。

ご相談で伺うこと

  • 契約書(更新・解約・損害賠償の条項を含むもの)
  • 現在の契約期間と、次の更新日
  • これまでに送った通知や、取引先とのやり取りの記録
  • 解約したい理由と、希望する終了の時期
  • 期限を過ぎている場合は、取引先との交渉の経過

ご相談では、条項の読み方と、通知の文面・送り方を一緒に確認します。

出典