意味
配転命令権は、使用者が労働者に配置転換を命じる権限を指す語です。労働契約法に、この語の定義の規定はありません。最高裁2024年4月26日判決(令和5(受)604)の裁判要旨は、配置転換命令について「同命令をする権限」と書いています。
労働契約法第3条第1項は、労働契約は労働者と使用者の対等の立場における合意に基づいて締結し、又は変更すべきものとしています。第8条は、合意による労働条件の変更を定めています。第3条は、労働契約に基づく権利を濫用してはならないとしています。
上の判決は、職種及び業務内容を特定のものに限定する旨の合意がある場合に、同意を得ずにした異なる職種等への配置転換命令について、権限があることを前提に濫用に当たらないとした原審の判断に違法があるとしました。参照法条は第3条第1項と第8条です。
会社が備えること
この用語は、就業規則と個別の労働契約の両方に関わります。労働契約法第7条は、合理的な労働条件を定めた就業規則を周知させていた場合、労働契約の内容はその就業規則の労働条件によるとしています。ただし、就業規則と異なる労働条件を合意していた部分は、第12条に該当する場合を除き、この限りでないとされています。配置転換の定めと職種の合意は、次の書類に表れます。
- 就業規則の配置転換・異動の条項
- 雇用契約書・労働条件通知書の職種・業務内容の記載
第4条は、労働契約の内容をできる限り書面により確認するものとしています。職種を限定した社員の異動は職種を限定して採用した社員に、別の職種への異動を命じられますかでも扱っています。