何が問題になるか

場面

会社は、退職した社員の離職理由を「自己都合」として手続をしました。その後、本人から「実際は退職を勧められた」「残業が多すぎて辞めた」と異議が出ることがあります。離職理由は、本人の失業給付に関わります。会社にとっても、助成金の受給要件に関わる場合があります。

法律の整理

離職理由は、ハローワークが事実関係で判定します。会社は離職証明書に理由と根拠を記載します。本人が異議を書けば、両方を踏まえて判定されます。

両方を踏まえて判定

会社の離職理由と本人の異議をハローワークが確認する。
離職理由は、ハローワークが事実関係で判定します。会社は離職証明書に理由と根拠を記載します。本人が異議を書けば、両方を踏まえて判定されます。

退職勧奨に応じた退職、労働条件の大幅な引下げ、賃金不払、長時間労働などは「特定受給資格者」「特定理由離職者」に当たります。この場合は給付制限なしになります。会社都合になると、助成金の受給要件に影響する場合があります。

根拠は次のとおりです。雇用保険法は、「離職」を「被保険者について、事業主との雇用関係が終了することをいう」と定めています。同法は、特定理由離職者も定めています。たとえば「期間の定めのある労働契約の期間が満了し、かつ、当該労働契約の更新がないこと」です。こうした「やむを得ない理由により離職したもの」として、厚生労働省令で定める者をいいます。

厚生労働省のハローワークインターネットサービスは、特定受給資格者を「倒産・解雇等により再就職の準備をする時間的余裕なく離職を余儀なくされた受給資格者」と説明しています。特定理由離職者とあわせて、「一般の離職者に比べ手厚い給付日数となる場合があります」ともしています。自己都合退職の給付制限は、自己都合退職の失業給付の給付制限の短縮で扱っています。

会社が備えること

確認すること

  • 退職の申出が本人からか、会社の勧奨によるものか
  • 退職前に労働条件を変更したか、その内容はどうか
  • 賃金の支払に遅れや不足がなかったか
  • 退職前の労働時間の記録
  • 受給中、または申請を予定している助成金の受給要件

対応

離職証明書には、離職理由とその根拠を記載します。退職届・面談記録・賃金台帳を整えて提出します。本人の異議が会社の記載と違う場合も、会社は記録に基づく事実を示します。記録に無い事情は書き加えません。退職届の効力そのものに争いがある場合は、退職届を出した社員が「撤回したい」と言ってきました。応じる必要はありますかも参照してください。

記録に基づく事実

退職届・面談記録・賃金台帳を整えて提出する。
退職届・面談記録・賃金台帳を整えて提出します。

ご相談で伺うこと

  • 退職に至るまでの経緯と、面談の日時・内容
  • 退職届の有無と、その記載
  • 離職証明書に記載した離職理由
  • 本人が出した異議の内容
  • 退職前の賃金と労働時間の記録
  • 受給中、または申請を予定している助成金

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出典