こんな場面

デザインやシステムの開発、営業の代行などを、社外の個人や会社に任せたい。相手から出された見積書と簡単な発注書だけで始めようとしている。相手が個人の場合と会社の場合で守るべき決まりが違うと聞いたが、どれが自社に関係するのかが分からない。契約を結ぶ前の整理です。

まず確認すること

  • 任せる仕事が、成果物を完成させるものか、事務や作業を行うこと自体か
  • 相手が個人か法人か、従業員を使用しているか
  • 自社と相手の資本金の額と、常時使用する従業員の数
  • 報酬の額・支払期日・成果物の検収の方法を、どの書面に書くか

法律の整理

民法は、当事者の一方が仕事の完成を約し、相手方がその報酬を支払う契約を請負とし(第632条)、法律行為をすることを委託する契約を委任としています(第643条)。法律行為でない事務の委託には、委任の規定を準用します(第656条)。

特定受託事業者に係る取引の適正化等に関する法律(フリーランス法)第2条第1項は、業務委託の相手方である事業者のうち、従業員を使用しない個人と、代表者以外に役員がなく従業員を使用しない法人を「特定受託事業者」としています。これに業務委託をした場合、同法第3条第1項は、給付の内容、報酬の額、支払期日その他の事項を、書面または電磁的方法により直ちに明示することを求めています。

中小受託取引適正化法(取適法)は、委託の種類ごとに、資本金の額または常時使用する従業員の数の組合せで、委託事業者と中小受託事業者の範囲を定めています(第2条第8項・第9項)。公正取引委員会の説明は、資本金の基準に該当しない場合にも従業員数の基準に該当すれば適用対象とし、製造委託等は従業員数300人、役務提供委託等は従業員数100人を基準とするとしています。適用される取引では、第4条の明示の義務がかかります。

会社が最初にすること

発注の前に、相手に従業員の有無と、資本金・従業員の数を確かめ、その回答を記録に残します。フリーランス法と取適法のどちらか、または両方が適用される場合は、法定の明示事項を満たす発注書の書式を用意します。見積書だけで始めず、仕事の範囲・報酬・支払期日・検収の方法・秘密保持を書面で取り決めます。

ご相談で伺うこと

  • 任せる仕事の内容と、期間・報酬の見込み
  • 相手の事業の形態(個人か法人か、従業員の有無、資本金)
  • 自社の資本金と従業員の数
  • いま使っている発注書・契約書の雛形

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出典