こんな場面
遅刻や無断欠勤を繰り返す、上司の指示に従わない、同僚への言動で職場の雰囲気が悪くなっている。口頭で何度か注意したが改まらず、周囲の従業員から対応を求められている。懲戒処分や解雇を検討したいが、どの段階で何をすればよいかが分からない。こうした状態のときの整理です。
まず確認すること
- 問題とされている行為の内容・日時・回数と、それを示す記録
- これまでの注意・指導の方法(口頭か書面か)と、本人の反応
- 就業規則に、懲戒の種類と事由、解雇の事由が定められているか
- 就業規則を従業員に周知しているか
法律の整理
労働基準法第89条は、常時10人以上の労働者を使用する使用者に就業規則の作成と届出を義務づけ、その記載事項として「退職に関する事項(解雇の事由を含む。)」と、「表彰及び制裁の定めをする場合においては、その種類及び程度に関する事項」を挙げています。
労働契約法第15条は、使用者が労働者を懲戒することができる場合でも、その懲戒が、労働者の行為の性質及び態様その他の事情に照らして、客観的に合理的な理由を欠き、社会通念上相当であると認められない場合は、権利を濫用したものとして無効とすると定めています。解雇についても、労働契約法第16条が、客観的に合理的な理由を欠き、社会通念上相当であると認められない場合は、権利を濫用したものとして無効とすると定めています。
解雇の手続として、労働基準法第20条第1項は、少なくとも30日前の予告か、30日分以上の平均賃金の支払を求めています。予告の日数は、平均賃金を支払った日数だけ短縮することができます(同条第2項)。同条第1項ただし書は、労働者の責に帰すべき事由に基いて解雇する場合などを予告の定めから除いていますが、その場合も、同条第3項が準用する前条第2項により、行政官庁の認定を受けることが求められています。
会社が最初にすること
問題とされている行為を、日時・場所・内容・関係者に分けて記録します。口頭の注意にとどまっている場合は、改めるべき点と期限を書いた書面で指導し、本人の説明も記録に残します。懲戒処分を検討する段階では、就業規則のどの事由にあたるかを特定し、本人から言い分を聴く機会を設けます。処分の重さは、行為の内容と、これまでの指導の経過に照らして検討します。解雇を検討する場合は、配置の変更など解雇以外の方法をとったかどうかも整理します。
ご相談で伺うこと
- 問題とされている行為の内容と、これまでの経過
- 注意・指導の記録と、本人の反応
- 就業規則(懲戒・解雇の定め)と、周知の方法
- 検討している処分と、本人の雇用形態・勤続年数