何が問題になるか
場面
労働基準監督署から、事業場に調査(臨検)に入るという連絡が来ることがあります。定期的に行われるもののほか、社員の申告をきっかけに行われる申告監督もあります。連絡を受けたら、そろえる書類と当日の対応を決めておく必要があります。
法律の整理
労働基準監督官には、事業場への立入り、帳簿や書類の検査、関係者への質問の権限があります。これを拒んだり、虚偽の答えや帳簿を示したりすると、罰則があります。調査には協力し、記録で事実を示すことが基本です。
調査には記録で事実を示す

是正勧告を受けたら、期日までに是正し、是正報告書を出します。未払賃金の遡及払いは、原則3年分です。申告監督の場合でも、申告した社員を探す行為は、不利益取扱いになり得ます。
調査で見られる点は、労働基準法の基本的な定めに沿っています。第15条は、第1項で「使用者は、労働契約の締結に際し、労働者に対して賃金、労働時間その他の労働条件を明示しなければならない」と定めています。第24条は、第1項で「賃金は、通貨で、直接労働者に、その全額を支払わなければならない」と定めています。第32条は、第1項で週40時間、第2項で1日8時間を超えて労働させてはならないと定めています。
労働時間の記録については、厚生労働省が2017年1月20日に「労働時間の適正な把握のために使用者が講ずべき措置に関するガイドライン」を策定しています。
会社が備えること
確認すること
連絡を受けたら、次の書類がそろっているかを確認します。
- 労働者名簿
- 賃金台帳
- 出勤簿(タイムカード)
- 就業規則
- 時間外・休日労働に関する労使協定(届出の控え)
- 労働条件通知書
- 健康診断の結果
書類があるかだけでなく、中身が実態と合っているかも見ます。タイムカードの時刻と賃金台帳の残業時間が合っているか、労使協定の有効期間が切れていないかを確認します。
書類と実態を確認

対応
- 当日の担当者を決め、求められた書類を示し、質問には事実を答えます。
- 調査の前に記録を書き換えたり、書類を作り直したりしてはいけません。虚偽の帳簿を示すと罰則の対象になります。
- 是正勧告を受けたら、期日までに是正し、是正報告書を出します。未払賃金は、原則3年分をさかのぼって支払います。
- 申告監督の場合でも、申告した社員を探したり、聞き出したりしません。
退職した社員から別に請求が届いている場合は、退職した社員から未払い残業代の請求書が届きましたもあわせてご覧ください。
ご相談で伺うこと
- 監督署からの連絡の内容(日時、指定された書類、定期の調査か申告によるものか)
- 上の書類の有無と、作成・保存の状況
- 労働時間の把握の方法と、残業代の計算の方法
- 是正勧告書や指導票を受け取っている場合は、その内容と期日