何が問題になるか

場面

他社やその代理人の弁護士から、「商標権を侵害している」「著作物を無断で使っている」と書いた警告書が届くことがあります。商品名やロゴの使用中止、在庫の廃棄、損害の賠償を求め、回答期限を付けた書面もあります。内容証明郵便で届いたときの受け止め方は、取引先から内容証明郵便が届きました。どう対応すればよいですかでも扱っています。

法律の整理

最初にすることは、相手の権利の有無と範囲の確認です。商標は、特許情報プラットフォームで登録の有無と指定商品を確かめます。著作権は、相手の作品に創作性があるか、自社がその作品に依拠したかを確かめます。侵害の疑いがあるときは、使用を続けると損害が増えます。そのため、暫定的な使用停止や表示の変更を検討しながら回答します。

商標法第2条は、第5項で、登録商標を「商標登録を受けている商標」と定めています。第6条は、第1項で、商標登録出願は「商品又は役務を指定して、商標ごとにしなければならない」と定めています。権利の範囲を見るときに指定商品・指定役務を確かめるのは、このためです。

第2条は、第3項で「使用」に当たる行為を挙げています。第8号では「商品若しくは役務に関する広告、価格表若しくは取引書類に標章を付して展示し」する行為なども含めています。表示を見直すときは、商品だけでなく広告や取引書類も確かめます。

相手の権利の有無と範囲を確認する

届いた警告書、権利の資料、自社の商品や制作資料を並べて照合する担当者
最初にすることは、相手の権利の有無と範囲の確認です。

会社が備えること

確認すること

  • 警告書の差出人、権利の種類、登録番号、求められている内容、回答期限
  • 特許情報プラットフォームで見た登録の有無、指定商品・指定役務、権利者の名義
  • 著作権の主張なら、相手の作品の創作性と、自社の制作の経緯(参考にした資料、制作した人、制作の時期)
  • 問題とされた商品名・ロゴを使っている場所(商品、包装、広告、ウェブサイト、取引書類)

対応

回答期限内に、「現在調査中です」と返します。認めるか認めないかの判断は、証拠を揃えてからにします。最初の回答で安易に謝罪したり、損害額を承認したりはしません。調査中でも侵害の疑いが強いときは、暫定的な使用停止や表示の変更を社内で決めておきます。

あわせて、自社の商品名・ロゴは先に商標出願しておきます。第4条は、第1項第11号で、「当該商標登録出願の日前の商標登録出願に係る他人の登録商標又はこれに類似する商標」を、指定商品等が重なる場合に登録を受けられない商標として挙げています。第5条の2は、第1項で、原則として「願書を提出した日」を出願の日と認定すると定めています。

証拠を揃えてから判断する

資料を保全しながら回答書を準備し、使用を続けるかを社内で確認する担当者
回答期限内に、「現在調査中です」と返します。認めるか認めないかの判断は、証拠を揃えてからにします。

ご相談で伺うこと

  • 届いた警告書の写しと、届いた方法
  • 問題とされた商品名・ロゴ・作品と、使い始めた時期
  • 自社の商標登録・出願の状況
  • 制作の経緯がわかる資料(制作の依頼書、データ、やり取りのメール)
  • 在庫の状況と、使用を止めた場合の影響

出典