何が問題になるか
場面
面接で「ご出身はどちらですか」「ご両親のお仕事は」と尋ねることがあります。エントリーシートに、本籍や家族構成を書く欄を設けている会社もあります。応募者のSNSを調べたり、前職の会社に勤務の様子を照会したりする場面もあります。こうした質問や調査が、法律上の制限に当たらないかが問題になります。
法律の整理
職業安定法第5条の5と指針により、本籍・出生地、家族の職業・収入、思想・信条、労働組合への加入などは、原則として収集してはなりません。病歴や障害は、業務に必要な範囲に限って確認します。応募者の個人情報は、利用目的を明示して本人から直接集めます。SNSの調査や前職への照会は、本人の同意の範囲で行います。
業務に必要な範囲で集める

根拠となる職業安定法第5条の5は、第1項で、求人者や労働者の募集を行う者が求職者等の個人情報を収集するときは、「その業務の目的の達成に必要な範囲内で」、「当該目的を明らかにして」収集しなければならないと定めています。同項のただし書は、「本人の同意がある場合その他正当な事由がある場合は、この限りでない」としています。第2項は、個人情報を「適正に管理するために必要な措置を講じなければならない」と定めています。
また、職業安定法は第3条で、何人も「人種、国籍、信条、性別、社会的身分、門地、従前の職業、労働組合の組合員であること等を理由として」差別的取扱を受けることがないという均等待遇の原則を定めています。
会社が備えること
確認すること
- 履歴書やエントリーシートに、本籍・出生地や家族の職業・収入を書く欄がないか
- 面接官が使う質問の例に、思想・信条や労働組合への加入、家族に関する質問が含まれていないか
- 健康状態を尋ねる項目が、業務に必要な範囲にとどまっているか
- 個人情報の利用目的を、応募者に示しているか
- SNSの調査や前職への照会を、本人の同意を得ずに行っていないか
対応
応募書類の様式を見直し、収集してはならない項目を削ります。面接官には、質問してよい範囲と避ける質問を事前に共有します。利用目的は、応募の受付の時点で書面やウェブの画面で示します。面接の記録をどう残すか、不採用の理由を説明するかどうかも、事前に社内で決めておきます。求人票の記載もあわせて点検します。詳しくは求人情報の「的確な表示」の義務をご覧ください。
応募書類の様式を見直す

ご相談で伺うこと
- 現在の応募書類の様式と、面接での質問の例
- 個人情報の利用目的の示し方と、応募書類の保管・廃棄の方法
- SNSの調査や前職への照会の有無と、同意の取り方
- 面接の記録の残し方と、不採用理由の問い合わせへの対応
内定を出した後の取消しが問題になっている場合は、採用内定を取り消したい。どこまで認められますかもあわせてご覧ください。