何が変わったか
2022年5月18日から書面の電子化ができます
宅地建物取引業の書面の電子化を可能とする政省令が改正されました。2022年4月27日に公布され、2022年5月18日から施行されています。国土交通省の案内ページは、改正の内容を「ITを活用した重要事項説明」と「書面の電子化」に分けて紹介しています。
書面の電子化は、重要事項説明書等を電磁的方法で提供することを指します。国土交通省は、宅地建物取引業者等が実施するときに遵守すべき事項や留意すべき事項を、実施マニュアルにまとめて公表しています。
会社が備えること
関係する会社
宅地建物取引業者は、第三条第一項の免許を受けて宅地建物取引業を営む者と定義されています(宅地建物取引業法第二条)。この記事は、次の二つの立場の会社を念頭に置いています。
- 宅地建物取引業者:重要事項説明書等を電磁的方法で提供するかどうかを決め、社内の手順を整える立場です。
- 事務所や店舗を借りる事業者:説明の相手方として、電子化を受けるかどうかの意向確認と承諾を求められる立場です。
電子化には相手方の承諾が要ります
国土交通省の案内は、書面の電子化を行うには、説明の相手方等へ意向確認を行い、承諾を得る必要があると説明しています。2024年12月には、その承諾の「承諾取得例」が公開されました。案内は、この取得例はあくまで一例で、承諾は示された様式以外でも取得できるとしています。
不動産業者の側では、承諾をどの様式で、どの時点で得るかを、取得例と照らして確認します。借りる側の事業者は、意向確認を受けたときに、電子で受け取るかどうかを社内で判断することになります。
相手方の承諾

IT重説と合わせた手続の流れ
ITを活用した重要事項説明(IT重説)と書面の電子化は、同じ案内ページでまとめて扱われています。実施マニュアルの名称も「重要事項説明書等の電磁的方法による提供及びITを活用した重要事項説明 実施マニュアル」で、両方を扱っています。
ITを活用した重要事項説明

マニュアルは2022年5月18日版が公表され、2024年12月版でリニューアルされました。リニューアルでは、アンケート結果や宅建業者等から質問の多かった事項を踏まえ、FAQが充実されています。同じ2024年12月には、マニュアルのハンディガイドとして「書面電子化・IT重説マニュアルハンディガイド」も公開されました。
会社が確認すること
- 社内で使っている実施マニュアルが2024年12月版かどうかを確認します。
- 「宅地建物取引業法の解釈・運用の考え方」と別紙2(重要事項説明書)について、2022年5月18日付の版が掲載されていることを確認します。
- 電子化の承諾をどの様式で取るかを、承諾取得例と照らして確認します。
- 借りる側の事業者は、相手方から意向確認を受けたときに、社内で誰が判断するかを決めておきます。
- 手続で迷う点は、国土交通省のIT重説・書面の電子化相談窓口の案内を確認します。
手続と注意点
承諾取得例は様式の一例にすぎませんが、意向確認を行って承諾を得ること自体は必要とされています。個別の取引でどう扱うかについて、この記事では判断を示しません。解釈・運用の考え方とマニュアルの本文で確認します。
電子契約で結んだ契約の効力については、電子契約で結んだ契約は、紙と同じように有効ですかで扱っています。不動産・賃貸業に関わる他の改正は、不動産・賃貸業に関わる法改正のまとめ(2022〜2027年)にまとめています。