何が変わったか
下請代金支払遅延等防止法は、令和七年法律第四十一号による改正で「製造委託等に係る中小受託事業者に対する代金の支払の遅延等の防止に関する法律」になりました。略称は中小受託取引適正化法(取適法)です。改正後の法律は2026年1月1日から施行されています。改正の全体は下請法が中小受託取引適正化法(取適法)になりましたで紹介しています。
手形の交付が支払遅延に含まれる
取適法第5条第1項は、委託事業者がしてはならない行為を挙げています。その第2号は、製造委託等代金を支払期日の経過後なお支払わないことを禁じています。かっこ書きは、これに含まれる行為として次のものを挙げています。
- 製造委託等代金の支払について、手形を交付すること
- 金銭及び手形以外の支払手段であって、支払期日までに代金の額に相当する額の金銭と引き換えることが困難であるものを使用すること
手形を交付すること

支払期日の定め
第3条第1項は、支払期日を、給付を受領した日から起算して60日の期間内で、かつ、できる限り短い期間内に定めることを求めています。支払期日を定めなかったときや、この規定に違反して定めたときの扱いは、同条第2項が定めています。
会社が備えること
自社が委託事業者に当たるか
第2条第8項は、資本金の額又は出資の総額と、常時使用する従業員の数によって委託事業者を定めています。製造委託等では、資本金の額等が3億円を超える法人が3億円以下の事業者に委託する場合などが挙げられています。常時使用する従業員の数が300人を超える法人が、300人以下の事業者に委託する場合も挙げられています。取引先ごとに区分を確認します。
支払方法の明示
第4条第1項は、委託事業者に、製造委託等代金の額、支払期日及び支払方法その他の事項を、書面又は電磁的方法で明示することを求めています。手形で支払ってきた会社は、発注書や基本契約に記載した支払方法を点検します。
記録の作成と保存
第7条は、製造委託等代金の支払その他の事項について記載した書類又は電磁的記録の作成と保存を求めています。支払方法を切り替えたときは、その内容も記録に残します。
支払方法の明示と記録

受け取る側の確認
手形で代金を受け取ってきた会社は、取引先が委託事業者に当たるかを確認します。第5条第1項は、中小受託事業者が公正取引委員会などに違反の事実を知らせたことを理由とする不利益な取扱いも、してはならない行為に挙げています。代金が支払われないときの対応は、取引先が代金を支払わないで紹介しています。
注意点
遅延利息と勧告
第6条第1項は、支払期日までに代金を支払わなかった委託事業者に、遅延利息の支払を求めています。期間は、給付を受領した日から起算して60日を経過した日から、支払をする日までです。率は公正取引委員会規則で定めます。第10条は、第5条に違反する行為があると認めるときの公正取引委員会の勧告を定めています。
罰則
第14条は、第4条第1項の事項を明示しなかったときや、第7条の書類を作成・保存しなかったときなどについて定めています。違反行為をした委託事業者の代表者、代理人、使用人その他の従業者は、50万円以下の罰金に処するとされています。