何が変わったか

報告書が扱う表示と公表の時期

消費者庁表示対策課は、2024年9月26日に、商品やサービスが第1位であると強調する表示についての実態調査報告書を公表しました。

対象は、一般消費者に商品・サービスを提供し、広告等を行う事業者です。報告書は法令や指針の改正ではありません。景品表示法(昭和37年法律第134号)について、消費者庁の考え方を示す資料です。

報告書は、「顧客満足度」や「コスパが良いと思う」など、第三者の主観的評価を指標とする表示が多く見られると述べています。最近の違反事例は、表示内容に見合った調査が行われていなかったこと等を理由に違反と認められた点で共通しているとされています。

調査の概要

調査は2024年3月から9月まで行われました。消費者庁は実際の広告物を集め、第1位を強調する表示275件と、「医師の○%が推奨」のような高評価%表示93件、合計368件を分析しています。消費者1,000名へのアンケートと、広告主へのヒアリングも行われました。

広告主へのヒアリングでは、調査会社等から勧誘を受けたことが表示のきっかけになった事業者の方が多かったとされています。調査の具体的な内容を把握していた事業者は、15社中1社だけでした。根拠資料を適切に保管しておらず、改めて調査会社から報告書を取り寄せた例も複数あったと記載されています。

合理的な根拠と認められるための観点

報告書は、第1位の表示が合理的な根拠に基づかず、事実と異なる場合には、実際のもの又は競争事業者のものよりも著しく優良又は有利であると一般消費者に誤認され、不当表示として問題となるとしています。そのうえで、主観的評価を調べた調査の結果が合理的な根拠と認められるには、少なくとも次の点を満たす必要があると整理しています(要旨)。

  • 比較する商品等が適切に選定されていること
  • 調査の回答者が適切に選定されていること
  • 調査が公平な方法で実施されていること
  • 表示内容と調査結果が適切に対応していること

報告書は、回答者に各社のウェブサイトを見せ、利用経験の有無を問わずに印象を答えてもらう「イメージ調査」を、満足度の表示の根拠として納品する調査会社があったと述べています。

調査の回答者

調査担当者が商品を手にする利用者に話を聞く場面。
調査の回答者が適切に選定されていること

会社が備えること

見直しの項目は次のとおりです。

  • 自社の広告、ウェブサイト、店頭の表示のうち、順位や満足度、「○%が推奨」を示すものを一覧にする
  • 表示ごとに、根拠となる調査報告書が社内に保管されているかを確かめる
  • 調査の質問文、比較した他社、回答者の選び方を把握する
  • 表示の文言が、調査で実際に聞いた内容と対応しているかを見比べる

報告書は、不当表示等を未然に防止するための管理上の措置(景品表示法第22条第1項参照)にも言及しています。ヒアリングの対象となった表示については、ほとんどの広告主で表示の根拠が十分に確認されている様子はうかがわれなかったとしています。

表示の文言と調査で実際に聞いた内容

広告担当者が画面の広告と調査報告書を見比べる場面。
表示の文言が、調査で実際に聞いた内容と対応しているかを見比べる

注意点

報告書によれば、調査会社を選んだ理由として、費用面や、調査会社から「調査は適法である。」との説明を受けたことを挙げる事業者が多かったとされています。報告書は、適法性を強調して勧誘する調査会社の中に、問題のある調査を行っているものが見られたと述べています。

景品表示法では、確約手続等を導入する改正法が、一部の規定を除き2024年10月1日から施行されています。改正の内容は景品表示法の改正で、違反の代償が重くなっていますで紹介しています。広告であることを隠した表示の扱いは、広告であることを隠した投稿は、事業者が責任を負いますで扱っています。

出典