何が変わったか
改定された指針と適用日
厚生労働省は、パワハラ指針の2026年10月1日適用版を公表しています。正式な名称は「事業主が職場における優越的な関係を背景とした言動に起因する問題に関して雇用管理上講ずべき措置等についての指針(令和2年厚生労働省告示第5号)」です。
背景には、2025年6月11日に公布された労働施策総合推進法等の改正法(令和7年法律第63号)があります。この改正で、カスタマーハラスメントと求職者等に対するセクシュアルハラスメントの防止措置が事業主の義務になります。施行日は2026年10月1日です。
厚生労働省のページには、同じ日に適用される指針として次のものが掲載されています。
- パワハラ指針(令和2年厚生労働省告示第5号)
- セクハラ指針(平成18年厚生労働省告示第615号)
- 妊娠・出産等に関するハラスメントの指針(平成28年厚生労働省告示第312号)
- カスタマーハラスメント防止指針(令和8年厚生労働省告示第51号)
- 求職者等に対するセクシュアルハラスメント防止指針(令和8年厚生労働省告示第52号)
厚生労働省の資料は、セクハラ等の防止措置について「業種・規模に関わらず、すべての事業主に義務付けられています」と記載しています。パワハラ防止措置の経緯は「中小企業にもパワハラ防止措置が義務化されています」で紹介しています。
会社が備えること
社内の方針・相談窓口・研修で見直すこと
会社の運用では、次の箇所を現行版と適用版で見比べます。
- 方針の文書:ハラスメントを行ってはならない旨の方針と、その周知の方法
- 相談窓口の案内:受け付けるハラスメントの種類、担当者、プライバシーの扱い
- 研修資料:パワハラの定義、典型例、相談窓口の説明
カスタマーハラスメントと求職者等セクハラの防止措置も、同じ日に始まります。方針の明確化や相談窓口は、パワハラ・セクハラの方針や窓口とあわせて整える方法があります。制度の内容は「カスタマーハラスメント対策が事業主の義務になります」で紹介しています。
適用日までに、就業規則の懲戒事由と相談窓口の規定を点検します。改定が要る場合は、就業規則の変更に必要な意見聴取と届出を、適用日までに済ませます。
相談窓口の案内

注意点
- 厚生労働省のページには、適用版の指針が掲載されています。改められた文言の一覧は、ページ上には示されていません。社内文書に反映するときは、現行版と適用版の本文を並べて確認します。
- 2026年4月24日に、労働施策総合推進法第10章の規定等の運用に関する通達が発出されています。解釈事項をまとめたQAも公表されています。
- 指針には、実施が「望ましい」とされている事項も含まれます。社内文書では、義務とされる措置と書き分けます。
- 厚生労働省のパンフレット「事業主が講ずべきハラスメント対策パンフレット」は2026年7月に更新されています。研修で古い版を使っていないかを確認します。
研修で古い版を使っていないか
