何が変わったか
カスハラに当たる要素
指針は、次の3つをすべて満たす言動をカスタマーハラスメントとしています。
- 顧客等による言動 職場での顧客・取引先・施設利用者などの言動。
- 許容される範囲を超える 業務の性質や経緯などに照らして、要求の内容または手段・態様が社会通念上許容される範囲を超える。
- 就業環境を害する その言動によって、労働者に就業上看過できない程度の支障が生じる。
正当な申入れまでカスハラとして扱いません。障害による差別の解消や合理的配慮を求めること自体も、カスハラには当たりません。
苦情の内容と、伝え方・仕事への影響を分けて見る
同じ「商品への苦情」でも、確認する点は異なります。
正当な申入れの例
商品が壊れていました。
交換をお願いできますか。
交換をお願いできますか。
顧客、従業員
苦情を申し出ること自体を
カスハラとして扱わない
要求に理由があっても、伝え方を確認
② 言動の内容・伝え方お前は役立たずだ。
土下座して謝れ。
土下座して謝れ。
① 顧客等、従業員
③ 言動による仕事への支障例:精神的な苦痛で、接客を続けることが困難になる
判断は、次の3つすべて
① 顧客等による言動+② 要求内容または手段・態様が
許容される範囲を超える+③ 就業上看過できない程度の
支障が生じる
許容される範囲を超える+③ 就業上看過できない程度の
支障が生じる
根拠:厚生労働省・カスタマーハラスメント防止指針 第2項
会社が備えること
会社で整える防止措置
施行日までに、次の措置を講じます。以下は指針の第4項の要約です。
- 方針と対応方法を知らせる 労働者を守る方針と、カスハラにどう対処するかを定め、社内に周知します。
- 相談できる体制をつくる 窓口を定め、担当者が適切に対応できる体制を整えます。判断が難しい相談も受け付けます。
- 発生後の対応を決める 事実を迅速・正確に確認し、被害者への配慮と再発防止の措置を講じます。
- 特に悪質な行為に備える 対処方針を定めて周知し、必要に応じた警察や弁護士等との連携も想定し、実行できる体制を整えます。
すべての措置に共通すること 相談者等のプライバシーを保護し、相談や事実確認への協力を理由に不利益に扱わないことを定め、周知します。
正社員だけでなく、パート・有期雇用労働者も対象です。派遣先も措置を講じます。周知には規程、マニュアル、研修等を使い、自社に合う方法を選びます。
注意点
現場での対応を手順にする
以下は社内手順を作る際の整理例です。順序や方法は、危険性や個別の事情に応じて判断します。
暴力・脅迫などで危険があるとき 下の順序にかかわらず、安全確保と警察等への連絡を優先します。
- 状況を確かめ、記録する 日時、相手方、言動、要求内容を記録します。記録の方法、保存先、社内で共有する範囲も決めます。
- 責任者・相談窓口につなぐ 現場担当者が対応を続ける範囲と、責任者へ引き継ぐ条件を決めます。
- 状況に応じて対処する 被害者に配慮し、対応の打切りや入店制限は契約関係や法令上の義務も踏まえて検討します。必要に応じて警察・弁護士等と連携します。
- 対応を振り返り、再発を防ぐ 対応後に分かった不足を、社内の対応手順や研修に反映します。
対応の打切りや取引停止を一律の結論にはせず、消費者の権利や個別の法令上の義務にも配慮します。
