何が変わったか
改正の経緯
厚生労働省は、同一労働同一賃金の施行から5年が経過したことを踏まえ、2025年2月から労働政策審議会の同一労働同一賃金部会で見直しの議論を行いました。2025年12月の部会報告を踏まえた省令・指針案要綱について、2026年3月に諮問と答申が行われています。改正後の省令・告示は2026年4月28日に公布され、2026年10月1日から施行・適用されています。
改正された省令・告示
厚生労働省の特集ページは、主な改正事項を次のとおり示しています。
- 雇い入れ時の労働条件明示事項の追加(令和8年厚生労働省令第87号)
- 同一労働同一賃金ガイドラインの改正(令和8年厚生労働省告示第203号)
- 雇用管理の改善等に関する措置内容の改正(令和8年厚生労働省告示第202号)
雇入れ時の明示事項
雇い入れ時の労働条件明示事項に、「法第14条第2項の規定による説明を求めることができる旨」が加わりました。法第14条第2項は、短時間・有期雇用労働者から求めがあったときに、通常の労働者との間の待遇の相違の内容及び理由などを説明する義務を定めています。
会社が備えること
労働条件通知書の様式
厚生労働省は、この改正に対応したモデル労働条件通知書を特集ページに掲載しています。自社で使っている通知書や雇用契約書の様式に、追加された明示事項が入っているかを照らし合わせます。
説明を求めることができる旨

待遇の洗い出しとの差分
ガイドラインは、正規雇用労働者と非正規雇用労働者との間に待遇差がある場合に、いかなる待遇差が不合理なものであり、いかなる待遇差は不合理なものでないのか、原則となる考え方と具体例を示したものです。特集ページには「新旧対照表(解説付き)」が掲載されています。これまでに行った待遇の洗い出しの結果と、改正後の記述との差分を確かめます。厚生労働省は、社内点検の項目として次の点を挙げています。
- 正社員と比べて労働時間が少ない従業員や、契約期間が決まっている従業員がいるか
- 正社員とパート・アルバイトなどとの間で、賃金や福利厚生などの待遇に違いがあるか
これまでの説明義務の内容は、パート・有期社員との待遇差に説明が必要ですで紹介しています。
説明の準備
法第14条第2項の説明の範囲は、待遇の相違の内容及び理由と、第6条から第13条までの規定により措置を講ずべきこととされている事項に関する決定をするに当たって考慮した事項です。説明に使う資料を、待遇ごとにそろえておきます。点検には、厚生労働省の「パートタイム・有期雇用労働法等対応状況チェックツール」や「不合理な待遇差解消のための点検・検討マニュアル」も使えます。
待遇ごとに説明の資料をそろえる

注意点
説明を求めた社員の扱い
法第14条は、説明を求めたことを理由とする解雇その他不利益な取扱いも禁じています。法第16条は、相談に応じ、適切に対応するために必要な体制の整備を事業主に求めています。
勧告と公表
法第18条は、第14条や第16条の規定に違反している事業主が勧告に従わなかったときに、厚生労働大臣がその旨を公表できると定めています。
原文と通達の確認
ガイドラインの具体例は、告示の本文と新旧対照表で確かめます。施行通達(令和8年6月29日基発0629第2号ほか)と、厚生労働省のQ&Aも公表されています。派遣労働者を受け入れている場合は、厚生労働省の派遣労働者向けのページもあわせて確認します。