何が問題になるか
場面
口コミサイトやSNSに、自社の商品や代表者について事実と異なる書き込みがされています。取引先からも確認の連絡が来ています。投稿を消したい、書いた人を知りたいというご相談です。
法律の整理
事実と異なる投稿や、会社の社会的評価を下げる投稿は、名誉毀損や信用毀損にあたります。この場合、削除請求と損害賠償請求の対象になります。一方、意見・感想の範囲にとどまる投稿は、違法にならないことが多くあります。
削除は、サイト運営者への申出から始めます。運営者が応じなければ、裁判所に仮処分を申し立てます。特定電気通信による情報の流通によって発生する権利侵害等への対処に関する法律(情報流通プラットフォーム対処法)は、第1条で、「侵害情報送信防止措置の実施手続の迅速化」を図るための大規模特定電気通信役務提供者の義務を定めると述べています。
投稿者の特定は、発信者情報開示命令の手続で行います。第8条は、裁判所が「決定で」開示関係役務提供者に発信者情報の開示を命ずることができると定めています。開示の要件は第5条にあります。第5条は、第1項で、「権利が侵害されたことが明らかであるとき」に加えて、「損害賠償請求権の行使のために必要である場合その他当該発信者情報の開示を受けるべき正当な理由があるとき」にあたることを求めています。通信の記録(ログ)には保存期間があるため、早く動くことが欠かせません。
第6条は、第1項で、開示の請求を受けた事業者は発信者の意見を聴かなければならないと定めています。開示を受けた後も、第7条は、発信者の「名誉又は生活の平穏を害する行為」を禁じています。
投稿をスクリーンショットに残す

会社が備えること
確認すること
- 投稿のURL・投稿日時・アカウント名
- 書かれた内容が事実か、事実と異なるか
- 具体的な事実を示す投稿か、意見・感想にとどまる投稿か
- 会社の社会的評価や信用を下げる内容か
- 投稿先のサイトの運営者と、削除の申出窓口
- 投稿からどれだけ時間がたっているか
対応
- 投稿を、URLと日時がわかる形でスクリーンショットに残します。
- 事実と異なる点と、それを示す社内の資料をまとめます。
- サイトの申出窓口から、削除を申し出ます。
- 投稿者の特定を考えるなら、ログが消える前に開示の手続の準備を始めます。
- 会社としての反論投稿は、かえって投稿が広まることもあるため、出す前に是非を検討します。
- 社員の投稿が疑われるときは、社員のSNS投稿が炎上しました。会社として何をすべきですかもあわせてご覧ください。
削除の申出と開示の手続

ご相談で伺うこと
- 投稿のURL・日時と、保存したスクリーンショット
- 投稿のどの部分が事実と異なるか、それを示す資料
- 削除の申出をしたか、運営者の回答の内容
- 売上や取引への影響の有無
- 投稿者に心当たりがあるか
- 反論投稿や返信をすでにしたか