何が変わったか

プロバイダ責任制限法を改正する法律(令和6年法律第25号)が、施行されました。法律名は「特定電気通信による情報の流通によって発生する権利侵害等への対処に関する法律」(平成13年法律第137号)に変わりました。総務省はこの法律を情報流通プラットフォーム対処法と呼んでいます。

大規模プラットフォーム事業者の義務

この法律は、一定の要件を満たす大規模なプラットフォーム事業者に、削除対応の迅速化と運用状況の透明化に係る措置を義務付けています(法第5章及び第6章)。総務省は、法第20条第1項に基づいて大規模特定電気通信役務提供者を指定しています。2025年4月にGoogle LLC、LINEヤフー株式会社、Meta Platforms, Inc.、TikTok Pte. Ltd.、X Corp.の5社が指定されました。2025年5月には、さらに4社が指定されています。

各社が総務省に届け出た削除申出窓口と削除基準は、法第21条に基づいて総務省のページで公開されています。各社が法第28条に基づいて公表した措置の実施状況等も、同じページから確認できます。

従来からの仕組み

この法律には、プラットフォーム事業者等の損害賠償責任の制限、発信者情報の開示請求、発信者情報開示命令事件に関する裁判手続の定めもあります。発信者情報開示命令は、一体的な手続による発信者情報の開示を可能としたものと説明されています。

会社が備えること

投稿を記録する

法律は、侵害情報、侵害されたとする権利、権利が侵害されたとする理由をまとめて「侵害情報等」と定義しています。削除の申出では、この侵害情報等を示すことが前提になります。示せるように、問題の投稿を記録し、社内の担当を決めておきます。

問題の投稿を記録する

問題の投稿画面を保存し、投稿と資料を整理する担当者
示せるように、問題の投稿を記録し、社内の担当を決めておきます。

窓口と基準を確かめる

自社の評判に関わる投稿が出やすいサービスについて、届け出られた削除申出窓口と削除基準を確認しておきます。違法情報ガイドライン(法第26条に関するガイドライン、令和7年3月11日制定)は、権利侵害や法令違反に当たる情報を明確化するものです。あわせて、事業者が削除基準に盛り込むべき違法情報を例示しています。

窓口と基準を確かめる

投稿の証拠を添えてサービスの削除申出窓口を確認する場面
届け出られた削除申出窓口と削除基準を確認しておきます。

相談先を決める

総務省支援事業の違法・有害情報相談センターは、サイト管理者等への削除依頼の方法などの相談を受け付けています。相談はウェブフォームからのみ受け付けています。

手続と注意点

削除申出から開示請求へ

削除申出に事業者が応じない場合や、投稿者に損害賠償を求める場合は、発信者情報の開示請求が手続の選択肢になります。法律は、権利が侵害されたことが明らかであり、損害賠償請求権の行使のために必要である場合その他正当な理由があるときに、開示を請求できると定めています。裁判所は、申立てにより、決定で開示を命ずることができます。

注意点

  • 開示を受けた者は、発信者情報をみだりに用いて、不当に発信者の名誉又は生活の平穏を害する行為をしてはならないと定められています。
  • 事業者は、削除の措置をとる前に、発信者に同意するかどうかを照会することがあります。
  • 開示請求を受けた事業者は、原則として発信者の意見を聴かなければなりません。請求の事実が投稿者に伝わる前提で準備します。
  • 自社の社員の投稿が問題になったときの対応は、社員のSNS投稿が炎上しました。会社として何をすべきですかで扱っています。

出典