何が変わったか
指針が告示になりました
厚生労働省は、「治療と就業の両立支援指針」(令和8年厚生労働省告示第28号)を公表しました。厚生労働省のページでは、2026年2月10日のお知らせとして掲載されています。2026年3月5日には、参考資料との統合版も掲載されました。
事業主の努力義務になりました
同じページには、「2026年度から事業主の努力義務となります」との記載があります。根拠は労働施策総合推進法の改正です。施行に関する通達として、「労働施策の総合的な推進並びに労働者の雇用の安定及び職業生活の充実等に関する法律第8章の規定等の施行等について」(令和8年2月24日付け基発0224第6号・職発0224第29号)が示されています。
これまでのガイドラインとの関係
これまでは、平成28年2月23日付けの通達で「事業場における治療と職業生活の両立支援のためのガイドライン」が示されていました。今回の指針は、告示の形で示されています。
会社が備えること
環境整備の項目
厚生労働省の「治療と仕事の両立支援ナビ」は、事業主向けに、事前の環境整備として次の項目を挙げています。
- 事業主による基本方針等の表明と労働者への周知
- 研修等による意識啓発
- 相談窓口等の明確化
- 治療と就業の両立支援に関する制度、体制等の整備
- 事業場内外の連携
主治医との情報のやり取り
指針の参考資料には、次の様式例が付いています。
- 勤務情報を主治医に提供する際の様式例
- 治療の状況や就業継続の可否等について主治医の意見を求める際の様式例
- 職場復帰の可否等について主治医の意見を求める際の様式例
- 治療と仕事の両立支援カード
- 両立支援プラン/職場復帰支援プランの作成例
様式例は、PDF版とWORD版で提供されています。「企業・医療機関連携マニュアル」は、企業と医療機関が情報のやりとりを行う際の参考資料です。様式例に沿って、記載例を示しています。事例編は、がん、脳卒中、肝疾患、難病、心疾患、糖尿病の疾患ごとに用意されています。
主治医との情報のやり取り

利用できる支援機関と助成金
都道府県の産業保健総合支援センターは、両立支援の専門の相談員を配置しています。支援の内容には、事業者等に対する啓発セミナー、関係者からの相談対応、事業場への個別訪問指導、患者(労働者)と事業者の間の調整支援等があります。中小企業等の産業保健活動については、事業主団体等を通じた「団体経由産業保健活動推進助成金」があります。
注意点
傷病手当金との関係
厚生労働省のページは、労働者が利用できる生活支援の制度として傷病手当金を挙げています。業務外の事由による傷病の療養のための休業であることなど、記載された条件のすべてに当たる場合に支給されます。支給期間は、支給開始日から通算して1年6か月に達する間です。支給額は、1日当たり標準報酬月額の30分の1の3分の2相当額とされています。通算化は、令和3年法律第66号による改正です。詳しくは傷病手当金の支給期間が「通算1年6か月」になっていますで扱っています。
事例は一例です
企業・医療機関連携マニュアルは、「掲載の事例はあくまで一例であり、実際の経過や必要な就業上の措置等は個別の労働者の状況によって異なる点に留意する必要があります」と注記しています。様式例や作成例を使う場合も、この注記を前提に読む必要があります。
両立支援プランを整える

資料の更新
2026年3月12日には、事例編(がん)の両立支援カード版が掲載されました。資料の追加が続いているため、最新の掲載は厚生労働省のページで確認する必要があります。