何が変わったか

支給期間は「通算して1年6か月」です

傷病手当金は、健康保険の被保険者が業務外の病気やケガで会社を休み、事業主から十分な報酬を受けられないときに支給される給付です。協会けんぽの案内では、支給期間は「支給を開始した日から通算して1年6か月」とされています。

以前は、支給を開始した日から暦のうえで1年6か月を数える扱いでした。そのため、途中で出勤した期間も支給期間に入っていました。現在は通算で数えるため、途中で仕事に就いた期間は支給期間に含めません。健康保険に加入するすべての事業所に関わる扱いです。人事・総務の担当者は、社内の案内や資料が現在の扱いに合っているかを確認する必要があります。

会社が備えること

支給の要件を確認する

協会けんぽの案内では、次の要件をすべて満たす場合に支給の対象となります。

  • 業務外の事由による病気やケガの療養のための休業であること
  • 仕事に就くことができないこと
  • 連続する3日間を含み4日以上仕事に就けなかったこと
  • 休業した期間について給与の支払いがないこと

待期の3日間には、有給休暇や土日・祝日等の公休日も含まれるとされています。連続して2日間休んだ後、3日目に仕事をした場合は、待期は成立しないと案内されています。給与の支払いがあっても傷病手当金の額より少ない場合は、その差額が支給されます。業務上・通勤災害によるものは労災保険の給付対象で、支給の対象外です。

休職と復職を繰り返す従業員の扱い

通算で数える扱いでは、復職して出勤した期間は支給期間に数えません。そのため、休職と復職を繰り返す従業員は、最初の支給開始から長い期間にわたって支給を受けることがあります。会社は、従業員ごとに支給の開始日と支給を受けた期間を記録しておくと、休職の管理がしやすくなります。残りの支給期間の問い合わせを受けたときは、加入する協会けんぽ支部に確認するよう案内できます。

支給を受けた期間を記録

同じ社員が休職し、復職して働いた後、再び休職する場面。
復職して出勤した期間は支給期間に数えません。従業員ごとに支給の開始日と支給を受けた期間を記録しておくと、休職の管理がしやすくなります。

就業規則の休職規定と照らし合わせる

傷病手当金の支給期間と、就業規則で定める休職期間は別の仕組みです。休職期間の長さや、復職後に再び休職したときの期間の数え方は、会社の規定によって決まります。規定の休職期間と、通算で数える支給期間とのずれを把握しておく必要があります。従業員に休職期間の満了を説明するときは、両者が別の制度に基づくことを伝えると、誤解を防げます。

休職期間と支給期間は別の仕組み

担当者が就業規則と傷病手当金の資料を分けて示し、社員に説明する場面。
傷病手当金の支給期間と、就業規則で定める休職期間は別の仕組みです。

申請の手続と事業主の証明

申請には「健康保険傷病手当金支給申請書」を使い、加入している協会けんぽ支部に提出します。申請には事業主の証明が必要です。従業員から証明を求められたときに対応できるよう、担当部署と手順を決めておくことが大切です。支給額は標準報酬月額の平均をもとに計算され、支給開始日以前の期間が12か月に満たない場合の計算方法も示されています。

手続と注意点

退職後の継続給付の注意点

退職などで資格を喪失した後も、条件を満たせば引き続き支給を受けられます。協会けんぽの案内では、資格喪失日の前日までに被保険者期間が継続して1年以上あり、その日に現に傷病手当金を受けているか、受けられる状態であることが条件とされています。

ただし、いったん仕事に就くことができる状態になった場合は、その後に再び仕事に就けなくなっても支給されません。休職期間の満了で退職となる従業員には、この扱いを伝えておく必要があります。また、任意継続被保険者である期間中に発生した病気やケガについては、傷病手当金は支給されません。

出典