何が変わったか

モデル就業規則の副業・兼業の規定の改定

厚生労働省は、就業規則の規程例と解説として「モデル就業規則」を公表しています。同省の「副業・兼業」のページは、モデル就業規則の副業・兼業の規定について、次の経過を示しています。

  • 平成30年1月、労働者の遵守事項の「許可なく他の会社等の業務に従事しないこと。」という規定を削除し、副業・兼業について規定を新設しました。
  • 令和2年9月の「副業・兼業の促進に関するガイドライン」の改定に伴い、副業・兼業についての記述を改訂しました(第14章第68条)。

モデル就業規則は、その後も改訂されています。同省の「モデル就業規則について」のページは、令和7年12月の主な改訂事項として、国会または地方議会の議員に立候補するための休暇に関する規程例の追加(第32条)と、犯罪被害者等の被害回復のための休暇等、その他の特別休暇の紹介の追加(第5章解説)を挙げています。法改正の反映など所要の改正も行ったとしています。

就業規則の作成と届出の義務

同ページは、常時10人以上の従業員を使用する使用者は、労働基準法(昭和22年法律第49号)第89条の規定により、就業規則を作成し、所轄の労働基準監督署長に届け出なければならないとしています。就業規則を変更する場合も、同様に届出が必要です。同ページは、モデル就業規則の規程例や解説を参考に、各事業場の実情に応じた就業規則を作成・届出するよう求めています。モデル就業規則は参考の規程例です。そのまま写すのではなく、自社の実情との違いを確かめることが前提になります。

自社の実情とモデル就業規則

自社の規則とモデルの規程例を職場の勤務状況に照らして比較する担当者
そのまま写すのではなく、自社の実情との違いを確かめることが前提になります。

会社が備えること

自社の就業規則で見直すこと

副業・兼業の規定については、次の点を自社の規則と突き合わせます。

  • 遵守事項に、モデル就業規則が削除した「許可なく他の会社等の業務に従事しないこと。」と同じ趣旨の規定が残っていないか
  • 副業・兼業についての独立した規定があるか。あれば、モデル就業規則の第14章第68条の記述とどこが違うか
  • 労働者が行う副業・兼業の内容を、どのような手続で確認するか

厚生労働省は、副業・兼業に関する届出様式例も公表しています。企業が、労働者が行う副業・兼業の内容を申告に基づき確認するにあたって参考とする様式例と説明されています。労使間で合意を取り交わす場合の合意書様式例や、管理モデル導入(通知)様式例も掲載されています。

副業・兼業の内容を確認する

会社の業務と別の仕事の内容を申告書で確認する社員と担当者
企業が、労働者が行う副業・兼業の内容を申告に基づき確認するにあたって参考とする様式例と説明されています。

副業・兼業の規定のほか、令和7年12月の改訂で加わった休暇の規程例や特別休暇の紹介も、自社の休暇の定めと比べる対象になります。

ガイドラインとの関係

「副業・兼業の促進に関するガイドライン」は、平成30年1月に作成され、令和2年9月と令和4年7月に改定されています。最新版は令和4年7月8日改定版です。令和4年7月には、Q&Aに「副業・兼業に関する情報の公表」が追加されました。ガイドラインの改定の内容は、副業・兼業ガイドラインの改定(2022年7月)で紹介しています。

副業・兼業の場合の労働時間管理については、労働基準法第38条第1項の解釈等を示した通達(基発0901第3号、令和2年9月1日付)があります。就業規則の規定を見直すときは、労働時間の通算の扱いもあわせて確認します。

注意点

モデル就業規則の文言をそのまま自社の規則に移しても、自社の労働時間制度や業務の内容と合うとは限りません。規則を変更したときは、所轄の労働基準監督署長への届出が必要です。社員から副業の許可を求められた場面については、社員から副業の許可を求められました。断れますかで扱っています。

出典