こんな場面
取引先から、弁護士に破産手続を依頼したという通知が届いた。裁判所から、取引先について民事再生手続が開始されたという書面と、債権届出書の用紙が送られてきた。売掛金が残っているうえ、こちらも取引先に支払う予定の代金がある。どこまで回収できるのか、今後の支払をどうすればよいかが分からない。こうした場面の整理です。
まず確認すること
- 届いた書面が破産手続と民事再生手続のどちらのものか、裁判所の名前と事件番号
- 債権届出期間と、届出の方法
- 取引先に対する売掛金などの債権の額と、その根拠となる契約書・請求書
- 取引先に対して自社が負っている債務(買掛金・預り金など)の額
法律の整理
破産法第100条は、第1項で、破産債権は、この法律に特別の定めがある場合を除き、破産手続によらなければ行使することができないと定めています。破産手続に参加しようとする破産債権者は、債権届出期間内に、各破産債権の額及び原因などを裁判所に届け出なければなりません(第111条第1項)。破産債権者が破産手続開始の時において破産者に対して債務を負担するときは、破産手続によらないで相殺をすることができます(第67条第1項)。
民事再生法第85条は、第1項で、再生債権について、再生手続開始後は、この法律に特別の定めがある場合を除き、再生計画の定めるところによらなければ、弁済をし、弁済を受け、その他これを消滅させる行為をすることができないと定めています。再生手続に参加しようとする再生債権者は、債権届出期間内に、各債権の内容及び原因などを裁判所に届け出なければなりません(第94条第1項)。相殺については、債権及び債務の双方が債権届出期間の満了前に相殺に適するようになったときは、その債権届出期間内に限り、再生計画の定めるところによらないで相殺をすることができるとしています(第92条第1項)。
会社が最初にすること
裁判所から届いた書面で、手続の種類と債権届出期間を確かめ、期限を社内で共有します。取引先に対する債権と債務を一覧にし、相殺の対象になり得るものがあるかを整理します。民事再生手続では相殺できる期間が債権届出期間内に限られているため、届出と相殺の検討を並行して行います。納品の予定が残っている場合は、出荷を続けるかどうかを、代金の支払の見込みとあわせて判断します。
ご相談で伺うこと
- 届いた書面と、手続の種類・裁判所
- 取引先に対する債権の額と、その根拠
- 取引先に対する自社の債務の額と、支払の予定
- 担保や保証の有無と、今後の取引の予定