何が問題になるか

場面

取引先から契約書の案が届き、反社会的勢力の排除条項が入っています。自社のひな形には、同じ条項がありません。なぜこの条項が必要なのか、どこまで書けばよいのかを知りたいという場面です。新しい取引先と継続的な取引を始めるときにも、同じ疑問が出ます。

法律の整理

各都道府県の暴力団排除条例は、事業者に、反社会的勢力との取引を避ける努力義務を課しています。そのうえで、契約書に排除条項を入れることを求めています。ここでは、神奈川県暴力団排除条例(2011年4月施行)を例にとります。

同条例は、事業者の責務として、「暴力団活動を助長等することとなる取引を防止する必要な措置をするよう努めるものとします」と定めています(第4条〜第7条)。

契約の場面については、第22条が定めています。取引が暴力団の活動を助長等するおそれがあるときは、「取引の相手方等が暴力団員又は暴力団関係者でないことを確認するよう努めるものとします」。そうした取引と判明したときに備えて、「その契約を解除することができる規定を事前に契約書に設けるよう努めるものとします」。契約の履行が暴力団の活動を助長等すると判明したときは、「その契約を解除するよう努めるものとします」。

排除条項の要素は、次のとおりです。

  • 表明保証:自社と相手方が反社会的勢力でないことを表明し、保証する
  • 解除権:違反が分かったときに、契約を解除できる
  • 損害賠償免責:解除によって相手方に損害が生じても、賠償しない

これらは、当事者の双方について相互に定めるのが通例です。

会社が備えること

確認すること

  • 自社の契約書のひな形に、排除条項があるか
  • 条項が、自社だけでなく相手方にも同じ内容を定める形になっているか
  • 取引を始める前に、相手方の確認をどのように行っているか
  • 事業所のある都道府県の暴力団排除条例の内容

双方の条項を確かめる

取引の双方が契約書を並べ、同じ条項を指して確かめる場面。
条項が、自社だけでなく相手方にも同じ内容を定める形になっているか

対応

契約書のひな形に、表明保証・解除権・損害賠償免責の条項を加えます。条項が無いまま続いている取引先との契約は、覚書などで追加することを検討します。

取引の相手方が反社会的勢力だと分かったときは、次の対応をとります。

  • 条項に基づいて契約を解除する
  • 警察や暴力追放運動推進センター(暴追センター)に相談する
  • 取引の経過とやりとりを記録に残す

警察庁は、暴力団に関する相談・通報の窓口として、「110番、各都道府県警察、暴力追放運動推進センター等」を案内しています。

記録をそろえて相談

担当者が契約書と連絡記録をまとめ、電話で相談する場面。
取引の経過とやりとりを記録に残す

ご相談で伺うこと

  • 現在使っている契約書のひな形と、取引先から届いた契約書の案
  • 取引の内容と、継続的な取引かどうか
  • 取引を始める前の確認の方法と、その記録
  • 相手方について懸念が生じた経緯と、これまでのやりとり

出典