何が変わったか

中小企業者等の賃上げ促進税制の概要

国税庁のタックスアンサーNo.5927-2は、中小企業者等における賃上げ促進税制を説明しています。中小企業者等が、2027年3月31日までの間に開始する各事業年度に国内雇用者へ給与等を支給し、適用要件を満たすと、法人税額の特別控除ができるとされています。控除できるのは、その事業年度の控除対象雇用者給与等支給増加額の15パーセント相当額です。上乗せ要件を満たす場合には、最大45パーセント相当額になります。

適用を受けられる法人

適用対象法人は、中小企業者または農業協同組合等で、青色申告書を提出するものです。中小企業者には、資本金の額または出資金の額が1億円以下の法人などが挙げられています。ただし、次の法人は除かれます。

  • 発行済株式または出資の総数または総額の2分の1以上を、同一の大規模法人に所有されている法人
  • 適用除外事業者、または通算制度における適用除外事業者に該当する法人

設立事業年度、合併以外の事由による解散の日を含む事業年度、清算中の各事業年度には適用できません。

適用要件と上乗せ要件

基本の要件は、雇用者給与等支給額が比較雇用者給与等支給額から1.5パーセント以上増えていることです。比較雇用者給与等支給額は、前事業年度における雇用者給与等支給額をいいます。

上乗せ要件は次のとおりです。

  • 雇用者給与等支給額の増加割合が2.5パーセント以上のとき、15パーセントが加算されます。
  • 教育訓練費の額が比較教育訓練費の額から5パーセント以上増え、かつ、教育訓練費の額が雇用者給与等支給額の0.05パーセント以上のとき、10パーセントが加算されます。
  • くるみん認定、えるぼし認定(2段階目以上)を受けたことなどの要件のいずれかを満たすとき、5パーセントが加算されます。

いずれの要件も満たす場合には、30パーセントが加算されます。

前事業年度と比べ

担当者が前事業年度と当期の給与資料を比べ、増加割合を確認する場面。
基本の要件は、雇用者給与等支給額が比較雇用者給与等支給額から1.5パーセント以上増えていることです。比較雇用者給与等支給額は、前事業年度における雇用者給与等支給額をいいます。

控除の上限と繰越し

税額控除限度額が調整前法人税額の20パーセント相当額を超える場合、控除を受ける金額はその20パーセント相当額が上限です。控除しきれなかった金額は、繰越しが認められます。ただし、繰り越した金額を控除する事業年度に、雇用者給与等支給額が比較雇用者給与等支給額を超えていることが要件です。

会社が備えること

会社が確認すること

  • 自社が中小企業者に当たるかを、資本金の額と株主の構成から確認します。
  • 雇用者給与等支給額を前事業年度と比べ、増加割合を計算します。
  • 教育訓練費の上乗せを使う場合は、教育訓練等の実施時期、内容、対象となる国内雇用者の氏名、費用を支出した年月日、金額、相手先の氏名または名称を記載した書類を保存します。

教育訓練等の書類を保存

教育訓練の担当者が実施内容の資料と費用の書類をまとめて保管する場面。
教育訓練費の上乗せを使う場合は、教育訓練等の実施時期、内容、対象となる国内雇用者の氏名、費用を支出した年月日、金額、相手先の氏名または名称を記載した書類を保存します。

手続と注意点

申告の手続と注意点

この制度は、確定申告書等に、控除対象雇用者給与等支給増加額、控除を受ける金額、その計算に関する明細を記載した書類の添付がある場合に限り適用されます。

繰越控除を受けるには、繰越税額控除限度超過額が生じた事業年度以後の各事業年度の確定申告書に、明細書を添付します。

出典