何が変わったか
最低賃金は、使用者が労働者に支払わなければならない賃金の最低額を定めた制度です。厚生労働省は、2026年度(令和8年度)の地域別最低賃金額と発効日を、都道府県別の一覧として公表しています。金額と発効日は、都道府県ごとに定められています。自社の事業場がある都道府県の額と発効日は、この一覧で確認します。
最低賃金の種類
最低賃金には、次の2種類があります。
- 都道府県ごとに定められた「地域別最低賃金」
- 特定の産業を対象に定められた「特定(産業別)最低賃金」
厚生労働省は、特定(産業別)最低賃金の一覧も掲載しています。自社の業種に特定最低賃金が定められているかどうかも、あわせて確認します。
額の決め方
最低賃金は、賃金の実態調査結果などを参考に、最低賃金審議会で決定されています。厚生労働省は、平成14年度から令和8年度までの地域別最低賃金改定状況も公表しています。前年度からの変化は、この資料で確かめられます。
会社が備えること
適用される労働者の範囲
厚生労働省の説明では、最低賃金は雇用形態に関係なくすべての労働者に適用されます。正社員だけでなく、パート・アルバイトや契約社員も含めて、全員の賃金を点検します。
派遣労働者には、派遣元ではなく、派遣先の最低賃金が適用されます。派遣労働者を受け入れている会社と、派遣元の会社は、どの都道府県の額が当てはまるかを確認します。
比べる賃金
最低賃金の対象となるのは、毎月支払われる基本的な賃金のみです。残業代やボーナスなどは対象外とされています。給与明細の項目を、対象となる賃金とそれ以外に分けて整理します。
時間額への換算
日給制や月給制などの場合は、対象賃金額を時間額に換算し、適用される最低賃金額と比較します。時給制の社員だけでなく、月給制や日給制の社員も、換算したうえで比べます。
厚生労働省は「最低賃金に関するセルフチェックシート」も公開しています。社内の点検では、この資料を使う方法があります。
社内への周知
使用者は、最低賃金を労働者に周知する必要があります。改定後の額を、どの方法で社内に知らせるかも決めておきます。
注意点
複数の事業場がある会社
地域別最低賃金は、都道府県ごとに定められています。複数の都道府県に事業場がある会社は、事業場ごとに適用される額と発効日を確認します。派遣労働者の受入れ先が別の都道府県にある場合も、同じく確認が要ります。
引上げに関する支援策
厚生労働省は、最低賃金の引上げに関する支援策を拡充していると案内しています。その1つが業務改善助成金です。中小企業・小規模事業者の生産性向上を支援し、事業場内で最も低い賃金(事業場内最低賃金)の引上げを図るための制度とされています。
また、中小企業の様々な課題に対応するワンストップ相談窓口として、「働き方改革推進支援センター」が全国に開設されています。
問い合わせ先
最低賃金に関するお問い合わせは、各都道府県労働局、または最寄りの労働基準監督署へと案内されています。自社の賃金が最低賃金を満たしているか迷うときは、これらの窓口に相談できます。