何が変わったか
トラックドライバーの時間外労働の上限規制(いわゆる物流の2024年問題)を受けて、2024年5月に公布された改正法(令和6年法律第23号)により、「流通業務総合効率化法」は「物資の流通の効率化に関する法律(物流効率化法)」に改められました。施行は2段階です。
2025年4月1日から、すべての荷主(発荷主・着荷主)、物流事業者(トラック・鉄道・港湾運送・航空運送・倉庫)、フランチャイズチェーンの本部に対し、物流の効率化のために取り組むべき措置について努力義務が課されました。国は、取り組むべき措置の内容を「判断基準」として定め、解説書と事例集を公表しています。柱は3つで、①積載効率の向上(共同配送、帰り荷の確保、リードタイムの確保など)、②荷待ち時間の短縮(予約受付システム、荷物の受け渡し時刻の調整など)、③荷役等時間の短縮(パレットの活用、検品の簡素化など)です。
2026年4月1日から、一定規模以上の荷主・物流事業者は「特定事業者」として、国への届出、中長期計画の作成・提出、定期報告が義務づけられました。特定事業者のうち荷主には、事業運営上の重要な決定に参画する管理的地位にある者(役員等)から物流統括管理者を選任することも義務です。取組が著しく不十分な場合は、勧告・命令の対象になります。
荷物の受け渡し時刻を調整する

会社が備えること
自社が「荷主」に当たるかどうかが出発点です。製品を出荷する側だけでなく、資材や商品を受け取る側も荷主です。物流会社に運送を委託していれば、業種を問わず対象になります。
すべての荷主がやることは、判断基準に沿った取組の開始です。具体的には、トラックを待たせている時間の実態を把握する、納品時刻の指定に幅を持たせる、検品や荷下ろしの負担を減らす、といったことで、荷主判断基準の解説書と事例集に、業種・物流パターンごとの具体例が示されています。
一定規模以上の荷主は、年間の取扱貨物量を確認し、特定事業者に該当すれば、届出、物流統括管理者の選任、中長期計画の作成・提出、毎年度の定期報告を行います。物流統括管理者は経営幹部から選ぶ必要があり、物流の効率化を経営の課題として扱うことが法律上求められています。
荷下ろしの負担を減らす

注意点
同じ改正で貨物自動車運送事業法も改められ、元請の運送事業者には実運送体制管理簿の作成が、荷主と運送事業者の間には契約書面の交付が求められるようになっています。運送を委託する契約の書面化は、荷主側にも関わります。
努力義務の段階では罰則はありませんが、国は取組状況を調査し、特に必要と認める場合には指導・助言を行います。特定事業者の義務については、届出や報告を怠ったり、勧告に従わなかったりした場合に、命令・公表・罰則の定めがあります。