何が変わったか

国税庁のFAQの位置づけ

国税庁は、2021年(令和3年)1月に「在宅勤務に係る費用負担等に関するFAQ(源泉所得税関係)」を公表しました。在宅勤務で会社が従業員に支給する金銭や物品について、給与として課税する必要があるかを問答の形で示した資料です。

労務管理の面は、テレワークの労務管理 ── 厚労省ガイドライン(2021年3月)で会社が決めておくことで扱っています。

課税しない支給と課税する支給

FAQの問1は、在宅勤務に通常必要な費用について、実費相当額を精算する方法で支給する一定の金銭は、給与として課税する必要はないとしています。

一方で、在宅勤務に使わなかった場合でも会社に返す必要のない在宅勤務手当は、給与として課税する必要があるとしています。FAQは例として、毎月5,000円を渡切りで支給するものを挙げています。

事務用品や環境整備の物品(問2・問3)については、次のように分けています。

  • 会社が所有する物品を貸与する場合は、給与として課税する必要はありません。
  • 支給して所有権が従業員に移る場合は、現物給与として課税する必要があります。
  • 「支給」の形で配付しても、従業員が自由に処分できず、業務に使わなくなったら返却を要するものは「貸与」とみて差し支えないとしています。

会社が所有する物品を貸与

会社の担当者が在宅勤務用のパソコンを従業員に貸与する場面。
会社が所有する物品を貸与する場合は、給与として課税する必要はありません。

精算の方法と計算の算式

問5は、精算の方法として、仮払いした後に領収証等を提出して精算し、超過分を返還する方法と、立替払いの後に精算する方法を挙げています。通信費と電気料金は、家事部分を含めて負担した金額のうち、業務のために使用した部分を合理的に計算して精算するとしています。

問6は、通信費の基本使用料や通信料等について、次の算式を例に示しています。

  • 従業員が負担した1か月の基本使用料や通信料等 × その従業員の1か月の在宅勤務日数 ÷ 該当月の日数 × 1/2

電気料金(問8)の算式は、上の算式に「業務のために使用した部屋の床面積÷自宅の床面積」を掛ける形です。

領収証等を提出して精算

従業員が領収証を提出し、担当者が実費の精算を確認する場面。
仮払いした後に領収証等を提出して精算し、超過分を返還する方法と、立替払いの後に精算する方法を挙げています。

会社が備えること

  • 在宅勤務手当を定額の渡切りで支給しているか、実費を精算しているかを確認します。
  • 精算で支給する場合は、算式と精算の手順を就業規則や賃金規程に定めます。
  • 在宅勤務日数、通話明細書、領収証等など、支給の根拠となる資料を残す運用を決めます。
  • 貸与する物品について、返却を要することや処分の制限を社内の規程に書きます。

注意点

問6の注は、従業員が所有するスマートフォンの本体の購入代金や、業務に使用したと認められないオプション代等を会社が負担した場合は、給与として課税する必要があるとしています。

レンタルオフィス(問9)は、従業員が立替払いし、領収書等を提出して精算したものは課税する必要はないとしています。FAQは更新されているため、最新の版で文言を確かめる必要があります。

出典