何が変わったか

専門業務型でも本人の同意が必要になりました

改正により、専門業務型裁量労働制を使う場合にも、労働者本人の同意を得ることが必要になりました。あわせて、同意の撤回の手続を労使協定に定めることも求められます。

対象は、裁量労働制を使うすべての事業主です。専門業務型と企画業務型のどちらを使っているかを問わず、自社の協定や決議を見直す必要があります。新しく導入する場面だけでなく、すでに使っている制度を続ける場面にも関わります。

同意の撤回の手続を協定に定めることが求められているため、本人が一度同意した後に撤回を申し出る場面も想定して、手続を組み立てる必要があります。

施行日や手続の細かな期限は、厚生労働省の「労働基準」のページにある「裁量労働制の概要」から、同省の資料で確認します。

企画業務型は労使委員会の運営規程と決議が変わりました

企画業務型裁量労働制では、労使委員会の運営規程に定める事項が追加されました。労使委員会の決議で定める事項も追加されています。

また、定期報告を決められた間隔ごとに行うことが求められます。報告の間隔と様式は、厚生労働省の資料で確かめます。

運営規程と決議の両方が変わるため、労使委員会の事務局を務める部署が、改正後の項目を一覧にして照らし合わせると漏れを防げます。

会社が備えること

すでに導入していた会社の届出

すでに裁量労働制を導入していた会社は、施行日の前までに、改正後の内容で労使協定や労使委員会の決議を整え、届け出し直す必要がありました。

担当者が替わっている場合は、この手続がいつ、どの内容で行われたかが社内で引き継がれているかを確かめます。届出の控えと、協定・決議の本文が手元にあるかも確認します。届出の控えが見当たらない場合は、当時の担当部署や社外の委託先に記録が残っていないかを確認します。

会社が確認・対応すること

次の点を、協定・決議・社内の書類で順に確認します。

  • 専門業務型の労使協定に、本人の同意を得ることと、同意の撤回の手続が定められているか
  • 本人から同意を得た記録を、誰がどの形で残しているか
  • 同意の撤回の申出を、どの窓口で受け付けるか
  • 企画業務型の運営規程と決議に、追加された事項が入っているか
  • 定期報告の時期と、報告を担当する部署が決まっているか
  • 改正後の内容で届け出し直した協定・決議の控えがあるか

同意の取り方や撤回の受け付け方は、労使協定の定めと、社内の実際の手続がずれないように揃えておく必要があります。協定にだけ書かれていて、現場の手順が決まっていない状態は避けます。

注意点

就業規則と労働時間の扱いで注意すること

裁量労働制を就業規則にも定めている会社は、協定・決議と就業規則の記載が合っているかを併せて確認します。厚生労働省の「労働基準」のページには「モデル就業規則について」も並んでおり、規則を見直すときの参考になります。

同じページには、「時間外労働の上限規制」や「労働時間の適正な把握のために使用者が講ずべき措置に関するガイドライン(平成29年1月20日策定)」も掲げられています。裁量労働制を運用するときの労働時間の扱いは、これらの資料の記述と照らして確かめます。

疑問点は、同ページの「労働基準監督署チャットボット」や、労働局・労働基準監督署の窓口で確かめる方法もあります。

本記事は、厚生労働省の資料の記述を紹介するものです。自社の協定や決議が改正後の要件に合っているかの判断は、資料の原文と照らして行います。

出典